CRPS(RSD)の後遺症 【弁護士が解説】

CRPSとは

CRPSとは、Complex regional pain syndromeの略語で複合性局所疼痛症候群といいます。

CRPSは2つのタイプに分類されます。

一つがRSD(反射性交感神経性ジストロフィー)と呼ばれるもので(TypeⅠ)、もう一つがカウザルギー(TypeⅡ)です。

CRPS抹消神経の損傷がない場合がRSDに分類され、抹消神経に損傷があるものがカウザルギーと分類されています。

このCRPS、特にRSDの特徴は、軽微な外傷の場合でも症状が出現する場合があるという点です。

これは交感神経の異常に基づいて出現する症状という点に由来しています。

当初の外傷が軽微であっても交感神経の緊張により、神経伝達物質などは多く放出されます。

通常であれば一定時間の経過により交感神経は正常に戻るのですが、正常に戻らない場合、交感神経は緊張状態を継続するため、神経伝達物質が不必要に多く分泌されてしまい負傷部分に異常をきたします。

こうした状態に陥るメカニズムは、具体的には解明されていません。

 

 

CRPSの症状

交通事故により受傷した部位はもちろん、それ以外の部位にもズキズキとした痛み、灼熱痛が主な症状です。

被害者の方は、「ナイフのような鋭いもので刺されたような痛み」があるとおっしゃいます。

また、皮膚温や色調の変化や発汗異常も生じます。さらに、骨萎縮や関節拘縮も発生します。

カウザルギーの場合は、神経損傷を伴うため感覚低下の症状もあります。

RSDの症状は、急性期(1~3カ月)、亜急性期(3~12カ月)、慢性期(12カ月~2年)に分けられます。

急性期では、灼熱痛が生じ痛みが増強します。皮膚変化もあり、皮膚が腫れあがる症状が出ることがあります。

亜急性期では、痛みがさらに増し、痛みの範囲も広がります。また、皮膚が委縮し、関節の拘縮も生じるようになります。

慢性期では、関節拘縮や皮膚委縮が進み、関節の動きが大きく制限されるようになります。

通常の外傷の場合、外傷を負った日(交通事故発生日)が症状としては最も悪く、時間の経過につれて徐々に症状が軽減していきます。

しかし、RSDにおいては、徐々に症状が増悪していくという特徴があります。

 

 

CRPSと後遺障害

CRPSの場合に認定される可能性のある後遺障害等級は下表のとおりです。

後遺障害等級 後遺障害慰謝料(裁判基準)
7級4号 神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの 1000万円
9級10号 神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの 690万円
12級13号 局部に頑固な神経症状を残すもの 290万円

弁護士西村裕一交通事故により、CRPSを発症した場合には、上記の項目に該当するかが問題となります。

場合によっては、局部に神経症状を残すものとして、14級9号の認定がなされるケースもあります。

RSDで、後遺障害12級13号の認定を受けた弊所の解決事例については、こちらをご覧ください。

 

 

CRPSの後遺障害等級認定のポイント

CRPSについては、症状を他覚的に証明することができるかという点が非常に重要になります。

まず、RSDについては、①関節拘縮、②骨萎縮、③皮膚の変化(皮膚温の変化、皮膚の萎縮)という慢性的な主要な3つの全ての症状が腱側(異常のない健康な部分)と比べて明らかに認められなければならないとされています。

また、カウザルギーについては、分類の観点から明らかなとおり、神経損傷が認められる必要があります。

その上で、疼痛の部位、性状、疼痛発作の頻度、疼痛の強度と持続時間及び日内変動やその他の他覚的所見により、等級認定を行います。

その際、疼痛により労務や日常生活にどの程度の支障を来たすかによって上記のうち、どの等級に該当するかを決定しています。

本来、痛み=疼痛というのは、被害者の方にしかわからない、自覚症状が中心の症状であり、それをいかに裏付けられるかというのがCRPSの等級認定を考える上でポイントになってきます。

 

 

素因減額の主張

後遺障害としてRSDに認定された場合、加害者側からは、素因減額の主張がなされる可能性があります。

素因減額とは、事故当時、すでに被害者が、損害が発生・拡大する要因(既往症や身体的特徴、心因的な要素)を持っており、実際にそれが原因で損害が発生・拡大したときには、一定の割合について賠償額を減額することです。

素因減額について詳しくはこちらをご覧ください。

RSDにおいて、素因減額が主張されるのは、同じような外傷を負った人の全てが発症するわけではなく、また、発症に心因的要素が関わっているとも考えられるからです。

 

 





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