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直進車とUターン車の自動車同士の過失割合は?【弁護士が解説】

執筆者
弁護士 西村裕一

弁護士法人デイライト法律事務所 北九州オフィス所長、パートナー弁護士

所属 / 福岡県弁護士会  

保有資格 / 弁護士

専門領域 / 個人分野:交通事故 法人分野:企業顧問(労働問題)   


過失割合についての質問です。

直進車とUターン車の自動車同士での事故を起こしてしまいました。

過失割合を教えてください。

 

 

弁護士の回答

Uターン事故は、Uターン車がUターン中に直進車と衝突する交通事故とUターン終了直後に直進車と衝突する交通事故に分けられます。

 

Uターン車の過失が大きい理由

道路交通法25条の2第1項によると、「歩行者又は他の車両等の正常な交通を妨害するおそれがある」場合、Uターンは禁止されています。

「正常な交通を妨害するおそれ」というのは、Uターン車の対向車や後続の車が一時停止や徐行、進路を変更しなければ進行できない状態のことです。

つまり、Uターン車はUターンを完了するまで、直進車の進行妨害をしてはならないのです。

したがって、直進車とUターン車の交通事故が起こった場合、Uターン車が直進車の進行妨害したことになるため、Uターン車の過失が直進車よりも大きくなります。

 

 

直進車の過失

直進車とUターン車の交通事故においては、Uターン車に一方的に過失があるのでなく、直進車の過失も考慮されます。

例えば直進車がUターン車に気付いた場合、直進車にはUターン車の動静に注意し、交通事故を未然に防ぐ安全運転義務があります(道路交通法70条)。

しかし、交通事故が起こった場合、Uターン車の動静に注意し、交通事故を未然に防ぐ安全運転義務に違反したことになるので、直進車にも過失があるとされます。

 

 

Uターン事故の過失割合(自動車同士の交通事故の場合)

Uターン事故は、Uターン車がUターン中に直進車と衝突する交通事故とUターン終了直後に直進車と衝突する交通事故に分けられます。

 

Uターン中の事故に直進車と衝突した場合

図のような場合は、以下の過失割合が基本になります。

ⓐ車(直進車) ⓑ車(Uターン車)
20 80

この基本過失割合を前提に、個別のケースの特殊事情を踏まえて過失割合を決定することになります。

以下の場合には、ⓐ車(直進車)の過失割合が加算されます。

過失割合が加算される修正要素
ⓐ車に速度違反がある場合

15km以上 10%加算
直進車に速度違反がある場合には、Uターンする車が適切な判断をすることが難しくなるため、違反の程度に応じて過失割合が加算されます。

30km以上 20%加算

ⓐ車にその他の過失がある場合

著しい過失 10%加算
「著しい過失」とは、事故態様ごとに通常想定されている程度を超えるような過失を指します。
例えば、脇見運転などの著しい前方不注視、著しいハンドル・ブレーキ操作不適切、携帯電話を通話のために使用したり、画像を見ながら運転すること、酒気帯び運転などが考えらえます。

重過失 20%加算
重過失は、著しい過失よりもさらに重い過失であり、故意(わざと)に比肩するような重大な過失を指します。
重過失の例としては、無免許運転、居眠り運転、酒酔い運転、過労や病気、薬物の影響により正常な運転ができない恐れがある場合などが挙げられます。

以下の場合はⓐ車の過失割合が減算されます。

過失割合が減算される修正要素
ⓑ車のUターン場所

転回危険場所 10%減算
転回危険場所とは、見とおしがきかない道路、交通が特に頻繁な道路を指します。

転回禁止場所 20%減算
転回禁止場所とは、道路標識等により転回が禁止されている道路の部分を指します。

ⓑ車にその他の過失がある場合

合図なし 10%減算
転回するにあたって、ⓑ車がウィンカー等の合図を出さなかった場合を指します。

著しい過失 10%減算
「著しい過失」の内容は、上記の加算の場合と同じです。

重過失 20%減算
「重過失」の内容は、上記の加算の場合と同じです。

 

Uターン終了直後に直進車と衝突した場合

図のような場合には、下記の過失割合になります。

ⓐ車(直進車) ⓑ車(Uターン車)
30 70

上記の過失割合を基礎として、各個別の事案について、以下の要素を踏まえて過失割合を修正します。

各要素の意味合いについては、「Uターン中の事故に直進車と衝突した場合」と同じです。

以下の場合には、ⓐ車(直進車)の過失割合が加算されます。

過失割合が加算される修正要素
ⓐ車に速度違反がある場合

15km以上 10%加算

30km以上 20%加算

ⓐ車にその他の過失がある場合

著しい過失 10%加算

重過失 20%加算

以下の場合はⓐ車の過失割合が減算されます。

過失割合が減算される修正要素
ⓑ車のUターン場所

転回危険場所 10%減算

転回禁止場所 20%減算

ⓑ車にその他の過失がある場合

合図なし 10%減算

著しい過失 5%減算

重過失 20%減算

以上のように、Uターン事故の場合の過失割合はある程度類型化されていますが、実際の事故態様によっては過失割合が変化することもあり得ます。

弁護士鈴木啓太過失割合について疑問がある方は専門家である弁護士に相談されることをお勧めします。

ご相談はこちらからどうぞ。

 

 

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弁護士 西村裕一

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所属 / 福岡県弁護士会  

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専門領域 / 個人分野:交通事故 法人分野:企業顧問(労働問題)   

実績紹介 / 交通事故の相談件数年間300件超え(2019年実績)を誇るデイライ

ト法律事務所のパートナー弁護士であり、北九州オフィスの所長を務める。

交通事故をめぐる問題に関して、NHK、KBCなどのメデイアへの取材実績があ

り、弁護士向けのセミナー講師としても活動。


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