よくある相談Q&A

後遺障害が非該当。不服があるときはどうする?【弁護士が解説】

執筆者
弁護士 西村裕一

弁護士法人デイライト法律事務所 北九州オフィス所長、パートナー弁護士

所属 / 福岡県弁護士会  

保有資格 / 弁護士

専門領域 / 個人分野:交通事故 法人分野:企業顧問(労働問題)   


後遺障害についての質問です。

後遺障害の認定で非該当とされたので、自賠責保険に異議申立てをしましたが、また該当しないと回答がありました。

何か手段はありませんか?

弁護士の回答

(財)自賠責保険・共済紛争処理機構に後遺障害該当の可否について調停の申請をする方法があります。

(財)自賠責保険・共済紛争処理機構とは?

説明する男性のイラスト

(財)自賠責保険・共済紛争処理機構(以下、「紛争処理機構」といいます。)は、自動車損害賠償保障法23条の5に基づいて、平成14年4月に裁判外紛争処理機関として設立されました。

紛争処理機構は、自賠責保険・共済からの支払いに関する紛争を公正かつ適確に解決し、被害者を保護することを目的に設立されています。

 

(財)自賠責保険・共済紛争処理機構の紛争処理の対象

紛争処理機構の紛争処理の対象は、自賠責保険・共済から支払われる保険金・共済金に関して発生した紛争が対象となります。

例えば、以下のようなケースです。

紛争処理対象ケース
事故との因果関係で争いになっている場合
交通事故に遭って怪我をしたのに、自賠責保険・共済が、事故と治療の因果関係を認めず、一切の賠償をしないような場合です。
後遺障害等級の評価で争いになっている場合
後遺障害が残っているのに、自賠責保険・共済が後遺障害を認めない、あるいは、後遺障害等級が過小に評価されている場合です。
過失の程度が争いとなっている場合
自賠責保険・共済においては、被害者に7割以上の過失がある場合には、過失相殺がなされます。
したがって、7割以上の過失があるかどうかで争いになる場合があるのです。

しかし、場合によっては紛争処理の対象とならないケースもあります。

例えば下記のような案件は、紛争処理機構の対象となりません。

紛争処理の対象とならないケース
裁判所で、調停や裁判を行なっている案件
他の相談機関または紛争処理機関ですでに示談斡旋を申し立てている案件
自賠責保険・共済から支払われる保険金・共済金等がすでに限度額まで支払われ、調停による紛争処理をしても支払額に影響がない案件

申請方法

 

申請者

交通事故の当事者本人、その相続人又は代理人が申請可能です。

 

申請書類

以下の書類が必要となります。

1.紛争処理申請書
書類作成のイメージイラスト2.申請別紙
3.同意書
4.交通事故証明書
5.保険会社・共済組合からの回答書
6.代理人による申請の場合、委任状および委任者の印鑑証明書
7.その他証拠書類等

 

申請先

申請書類を郵送で送付します。

  • 九州・沖縄、近畿、中国の地域に住所のある方は大阪支部
  • 北海道、東北、関東、東海、北陸に住所のある方は東京本部

 

申請費用

郵送のイメージイラスト申請費用は無料です。ただし、問い合わせ等の電話通話料や申請の郵送料、証拠書類としての医療関係書類の取付費用などは申請者自身で負担します。

 

 

調停の流れ

(財)自賠責保険・共済紛争処理機構の調停は、自賠責保険への被害者請求と同じく、書類審査で行われます。

審査の概要

審査のイメージイラスト

審査をするのは、学識経験者、弁護士、医師から構成される紛争処理委員会が、当事者、保険会社・共済組合から提出された書類を審査していきます。

あくまで、自賠責保険・共済の判断が適正なものかどうかを審査するものなので、紛争処理機構への申請にあたって、新たな証拠を提出することはできません。

また、当事者、保険会社・共済組合担当者は審査に出席しません。審査結果は当事者、保険会社・共済組合へ通知されます。

 

 

調停の効果

調停の結果は、自賠責保険・共済の最終結論となります。

紛争処理機構による調停の結果が出た後に、再度、自賠責保険・共済に異議申立てを行うことはできないのです。

したがって、紛争処理機構への申請は、異議申立の中で、主張や証拠を出し尽くした後に行う手続というイメージになります。

紛争処理機構の調停結果に不服がある場合には、訴訟提起をして裁判所に判断してもらうことになります。

自賠責保険・共済の判断に納得できず、紛争処理機構への申立を検討されている方は、お気軽にご相談ください。

後遺障害の認定について、詳しくは交通事故専門の弁護士までご相談ください。

 

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執筆者
弁護士 西村裕一

弁護士法人デイライト法律事務所 北九州オフィス所長、パートナー弁護士

所属 / 福岡県弁護士会  

保有資格 / 弁護士

専門領域 / 個人分野:交通事故 法人分野:企業顧問(労働問題)   

実績紹介 / 交通事故の相談件数年間300件超え(2019年実績)を誇るデイライ

ト法律事務所のパートナー弁護士であり、北九州オフィスの所長を務める。

交通事故をめぐる問題に関して、NHK、KBCなどのメデイアへの取材実績があ

り、弁護士向けのセミナー講師としても活動。


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