よくある相談Q&A

事故による痛みを我慢した場合の慰謝料は?【弁護士が解説】

執筆者
弁護士 西村裕一

弁護士法人デイライト法律事務所 北九州オフィス所長、パートナー弁護士

所属 / 福岡県弁護士会  

保有資格 / 弁護士

専門領域 / 個人分野:交通事故 法人分野:企業顧問(労働問題)   


痛む男性のイメージイラスト交通事故で怪我をしました。痛みを我慢して通院しませんでした。

我慢した分は慰謝料としてもらえませんか?

 

弁護士の回答

傷害慰謝料は、通院期間や通院日数で算定されます。

したがって、痛みを我慢した分という名目で慰謝料の請求は難しいでしょう。

 

慰謝料とは

慰謝料とは、交通事故によって受けた精神的損害に対する金銭賠償のことです。

交通事故など第三者の故意・過失によって怪我を負った場合には、傷害慰謝料を受け取ることができます。

この傷害慰謝料とは、交通事故等の第三者の加害行為によって負傷し、入通院した場合に発生する損害賠償金です。

ここでいう傷害とは身体的に損傷された場合はもちろんのこと、精神的・心理的な損傷や内部的な疾患を生じた場合も含まれています。

慰謝料の算定について詳しくはこちらをご覧ください。

 

 

傷害慰謝料の算定方法

傷害慰謝料の算定基準は、自賠責保険基準、任意保険会社基準、裁判基準の3つがありますが、いずれの基準に基づいても、「痛みを我慢していたこと」は慰謝料の算定にあたって加味されません。

自賠責保険基準

自動車損害賠償責任保険(自賠責保険・共済)の傷害慰謝料は、実治療日数の2倍と治療期間を比べて、数の小さいほうに4,200円をかけ算出します。

具体例 治療期間が60日、そのうち実治療日数(通院日数)が40日だった場合

治療期間(60日)の方が、実治療日数(通院日数)の2倍(40日×2=80日)よりも小さいので、治療期間の60日が対象となります。

60日 × 4,200円 = 25,2000円 となります。

 

任意保険会社の基準

任意保険会社の基準は、各任意保険会社が独自に設定している基準です。

 

裁判基準

日弁連交通事故相談センター東京支部が作成した「民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準」(「赤い本」と呼ばれています。)掲載の「入通院慰謝料の算定表」を基準として、事案ごとの個別事情を加味しながら慰謝料金額が算定されています。

基本的には通院期間を基準にしますが、実通院日数が少ない場合には、実通院日数の3ないし3.5倍を通院期間の目安にします。

弁護士が慰謝料を算定する際は、裁判基準で算定し、この基準で保険会社と交渉することになります。

保険会社の慰謝料基準と比較しても裁判所基準が最も高い水準となります。

しかしながら、この裁判基準も通院期間・日数を基準に慰謝料を算出します。

したがって、設例の事案のように痛みを我慢して通院していないという場合には、慰謝料は受け取ることができなくなりますので、早めに医療機関への受診をするようにしてください。

 

 

慰謝料の増額事由

腰を痛めた男性上記のとおり、傷害慰謝料は、通院期間・日数で算出しますが、各個別事情に応じて、増額されることもあります。

以下のような事由がある場合には、慰謝料が増額されることがありますが、「痛みを我慢していた」という事情は慰謝料の増額事由にもならないと考えられます。

加害者側の事情
  • 飲酒・酒気帯び運転
  • ひき逃げ事故
  • ことさらに信号無視した場合
  • 大幅なスピード違反
  • 加害者の態度が著しく不誠実
被害者側の事情
  • 何度も手術をせざるを得なくなった
  • 生命が危ぶまれるような状態になった
  • 麻酔ができない状態で手術をした

以上のように、「痛みを我慢していた」ということは、慰謝料算定にあたり考慮されないと考えるべきでしょう。

交通事故に遭い、怪我をした場合には、医師の指示に従い確実に通院を継続するようにする必要があります。

弊所では交通事故専門の弁護士が慰謝料請求のサポートを行なっております。

詳しくはこちらをご覧ください。

 

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執筆者
弁護士 西村裕一

弁護士法人デイライト法律事務所 北九州オフィス所長、パートナー弁護士

所属 / 福岡県弁護士会  

保有資格 / 弁護士

専門領域 / 個人分野:交通事故 法人分野:企業顧問(労働問題)   

実績紹介 / 交通事故の相談件数年間300件超え(2019年実績)を誇るデイライ

ト法律事務所のパートナー弁護士であり、北九州オフィスの所長を務める。

交通事故をめぐる問題に関して、NHK、KBCなどのメデイアへの取材実績があ

り、弁護士向けのセミナー講師としても活動。


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