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整体・カイロプラクティック費用は賠償される?【弁護士が解説】

執筆者
弁護士 西村裕一

弁護士法人デイライト法律事務所 北九州オフィス所長、パートナー弁護士

所属 / 福岡県弁護士会  

保有資格 / 弁護士

専門領域 / 個人分野:交通事故 法人分野:企業顧問(労働問題)   


弁護士の回答

整体やカイロプラクティックの費用は基本的に損害賠償の対象にはなりません。

 

整体とは

整体とは、身体の不調を改善させることを目的とした手技による民間療法です。

手技により、骨格のゆがみを矯正し、身体のバランスを整え、健康増進・体質改善などを図ります。

 

 

カイロプラクティックとは

カイロプラクティックは、アメリカが発症の治療方法です。

アメリカでは、国家資格として認められていますが、日本では国家資格はなく民間療法として位置づけられています。

カイロプラクティックは、手技を用いて背骨や骨盤の歪みなどを矯正したり、神経機能を回復させることを目的に行われます。

 

 

治療費として認められる範囲

整体・カイロプラクティック

交通事故による治療費は、交通事故と因果関係が認められる範囲で賠償が認められています。

整体やカイロプラクティックは、医療類似行為と呼ばれています。

医療類似行為には、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師といった国家資格に基づいて施術が行われるものがありますが、整体やカイロプラクティックは国家資格に基づかない医療類似行為であり、健康保険の利用も認められていません。

したがって、どの程度の治療効果があるのか不明確と考えられ、交通事故の症状に対して有効かつ相当な治療とは言い切れないため、事故の治療費として賠償を否定される傾向にあるのです。

もっとも、カイロプラクティックの費用の賠償を認めた裁判例(大阪地判平6.9.29、交民27.5.1339)もあります。

この事案は、頚髄損傷して後遺障害1級3号の認定を受けている事案ですが、カイロプラクティックの施術を行うことについて、医師の勧めがあり、かつ、腕の運動障害や知覚障害を改善する効果があったということが認定され、カイロプラクティックの施術が必要かつ相当なものであるとして、その費用の賠償を認めました。

こうした裁判例はありますが、原則としては、整体やカイロプラクティックの施術費用を賠償してもらうことは難しいと考えた方がよいでしょう

少なくとも医師の指示がなければ、賠償を受けられないと考えて施術を受けられた方がよいでしょう。

 

整骨院の施術

整骨院と整体を混同されている方もいらっしゃるかもしれませんが異なるものです。

整体の国家資格はありませんが、整骨院に関しては、国家資格である柔道整復師による施術が行われることから、その施術費用について、任意保険会社は認める傾向にあります。

もっとも、裁判になった場合には、医師による指示の有無や実際の効果などについて、立証しなければ認められないこともあります。

したがって、整骨院のみに通院するのではなく、医師と相談した上で、病院にも継続して通院しながら整骨院に通院された方がよいでしょう。

また、万一、後遺症が残った場合には、後遺障害の申請をすることになりますが、申請に必須の書類である後遺障害診断書は医師しか作成することができません。

相当期間にわたって病院に通院していない期間空いてしまうと、その間の経過を診れていないという理由で、医師が後遺障害診断書を作成してくれない可能性があります。

したがって、整骨院に通院する場合にも病院には継続して通院された方がよいでしょう。

整骨院での施術費用の賠償について、詳しくはこちらをご覧ください。

 

鍼灸、あんまマッサージ

鍼灸、あんまマッサージについては、はり師、きゅう師、あんまマッサージ指圧師といった国家資格を保有している者が施術を行いますが、整骨院と比べて認められづらい傾向にあります。

交通事故の治療として鍼灸や、あんまマッサージの施術を受ける場合には、医師の指示をもらうべきでしょう。

 

病院での治療

極めて軽微な事故であれば別ですが、病院での治療費は、原則として加害者に全額請求することができます。

もっとも、治療費が認められる範囲は、症状固定日までとなります(上記の整骨院の費用等も症状固定日までです)。

症状固定について詳しくはこちらをご覧ください。

薬のイメージイラスト病院で受けた処方箋に基づく薬代も請求することができます。

また、医師の指示による場合には装具などの賠償も認められます。

 

まとめ弁護士以上のように、医師の判断や指示に基づく治療や施術については、賠償が認められますが、医師の指示もなく、医学的な根拠に乏しい治療や施術費用の賠償は認められない傾向にあります。

病院以外で治療を行う場合には、医師と十分に相談することが必要です。

治療費の賠償について、お困りの方はお気軽にご相談ください。

弁護士へのご相談はこちらからどうぞ。

 

 

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執筆者
弁護士 西村裕一

弁護士法人デイライト法律事務所 北九州オフィス所長、パートナー弁護士

所属 / 福岡県弁護士会  

保有資格 / 弁護士

専門領域 / 個人分野:交通事故 法人分野:企業顧問(労働問題)   

実績紹介 / 交通事故の相談件数年間300件超え(2019年実績)を誇るデイライ

ト法律事務所のパートナー弁護士であり、北九州オフィスの所長を務める。

交通事故をめぐる問題に関して、NHK、KBCなどのメデイアへの取材実績があ

り、弁護士向けのセミナー講師としても活動。


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