相手方保険会社との示談交渉がうまくいかない。どうしたらいい?

弁護士法人デイライト法律事務所 北九州オフィス所長、パートナー弁護士
所属 / 福岡県弁護士会
保有資格 / 弁護士
専門領域 / 個人分野:交通事故 法人分野:企業顧問(労働問題)
交通事故の示談交渉について、北九州で交通事故を専門に取り扱う弁護士が解説いたします。
目次
示談交渉がうまくいかない場合
加害者の保険会社との間で示談交渉がうまくいかないケースがあります。
例えば、「整骨院の治療費を支払ってくれない。」、「満足いく示談金の額ではない。」、「過失割合でもめている。」といったことが主な理由として考えられます。
このような場合、もめた当事者同士だけで交渉を続けていても、いたずらに時間だけが過ぎてしまいます。
したがって、示談交渉がうまくいかないと感じたら別の選択肢を考えなければいけません。
示談交渉以外の主な解決方法
①弁護士に相談・依頼する
まず、現時点で弁護士に相談をしていない場合には、専門家である弁護士の意見を聞いてみることです。
相談を受けた弁護士は、交通事故を専門的に取り扱っているのであれば、相談者にとってベストな解決を提案してくれるはずです。
そして、必要があれば、弁護士に依頼しましょう。
依頼をして弁護士が交渉することで、相手方保険会社の対応が変わるということもあり得ます。弁護士の選び方について、詳しくはこちらをご覧ください。
②紛争処理センターに相談・あっせんを申込む
次に、紛争処理センターへの相談・あっせん手続を利用するということが考えられます。
紛争処理センターの正式名称は「公益財団法人交通事故紛争処理センター」といいます。
ここでの相談やあっせんについては、手続の費用(手数料)はかからず、無料で利用できるのが特徴です。
そして、相談する交通事故と利害関係のない中立の第三者として、紛争処理センターの委員を務める弁護士が相談やあっせん手続に対応していきます。
デイライト法律事務所北九州オフィスのある北九州は、基本的に福岡市にあるセンターを選択することになるでしょう。紛争処理センターの手続についてはこちらをご覧ください。
③裁判所に民事調停を申立てる
また、第三者を通じた話し合いの場として、裁判所の民事調停という制度があります。
この民事調停という制度は、簡易裁判所の裁判官1名と裁判所から選任された調停委員(司法書士や行政書士といった士業が多いです。)2名の合計3名で調停委員会という委員会を結成し、被害者と加害者の双方の言い分を個別に聞いた上で、話し合いによる解決(調停成立)ができないかを試みる手続です。
紛争処理センターとの違いは、話し合いをとりもつ機関が弁護士か裁判所かという点や調停が成立した場合、その効力は判決と同じ効力があるため、相手が約束に反してお金を支払わない場合、裁判を改めてせずとも強制執行ができるという点が挙げられます。
もっとも、相手方に保険会社(任意保険)が付いている場合には、合意してお金を支払わないといった事態が起こる可能性がほとんどないため、判決と同じ効力があるかどうかの違いはそれほど選択肢を検討するに当たって考慮事情にはならないでしょう。
④裁判所に裁判(訴訟)を提起する
これまで説明した3つの手続で解決する目処が立たない場合や裁判所の判断をきちんと仰ぎたいといった場合には、裁判(訴訟)を提起して、手続を進めていきます。
それぞれの手続の特徴
これまで解説した4つの選択肢について、それぞれの手続の特徴を図にまとめています。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
①弁護士に相談・依頼して示談交渉を継続する | ・他の手続に比べ、時間がかからない。
・裁判基準をベースとした交渉が可能。 |
・相手方が示談を拒否すれば、他の手続を選択せざるを得ない。 |
②紛争処理センターに相談・あっせんを申込む | ・中立の第三者として弁護士が利害調整をしてくれる。
・相談、あっせんの利用料は無料。 ・あっせんが不調の場合、審査手続に移行できる。 |
・支部が11か所しかなく、支部がない県は交通費や時間を取られる。
・申立てから解決まで半年ほど時間がかかる。審査手続まで移行すると半年以上かかることが多い。 |
③裁判所に民事調停を申立てる | ・中立の第三者として裁判官を含めた調停委員が対応。
・調停が成立すれば、判決と同一の効力が得られる。 |
・申立てに費用がかかる。
・裁判所に定期的に出席しなければならない。 ・解決までに半年程度時間がかかる。 |
④裁判所に裁判(訴訟)を提起する | ・裁判官により証拠に基づく双方の主張を聞いた上での解決が可能。
・相手が和解に応じない場合でも判決という形で結論が出る。 ・遅延損害金や弁護士費用の上乗せがありうる。 |
・判決の場合、解決までに1年以上かかることが多い。
・証人尋問(当事者尋問)に対応する必要がある。 ・カルテといった細かい書類まで確認される。 |
もちろん、交通事故のそれぞれの事案によって、解決するまでの時間や解決内容、解決に至るまでの手続の流れは異なるため、一概にはいえませんが、一般的には上図のようなメリット、デメリットがあります。
まずは、弁護士に相談・依頼するという選択肢をとった上で、その後にその他の選択肢を検討するのが通常の流れです。
そして、選択肢のどれを取るかについては、被害者の方の意向(時間がかかってもきちんとしたいということであれば、裁判に親和的)や被害者の置かれている状況(交通事故による収入減少があるか、既往症があるかどうかなど)、証拠の有無や内容を考慮して、ベストな選択をしなければなりません。
こうした選択をするためには、やはり交通事故を数多く取り扱っているという専門性が非常に重要になります。
デイライト法律事務所では、北九州市内だけで年間200件を超える交通事故のご相談に対応しております。
保険会社との示談交渉に行き詰まってしまった場合には、まずは、交通事故専門の弁護士までご相談することをオススメします。
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弁護士法人デイライト法律事務所 北九州オフィス所長、パートナー弁護士
所属 / 福岡県弁護士会
保有資格 / 弁護士
専門領域 / 個人分野:交通事故 法人分野:企業顧問(労働問題)
実績紹介 / 交通事故の相談件数年間300件超え(2019年実績)を誇るデイライ
ト法律事務所のパートナー弁護士であり、北九州オフィスの所長を務める。
交通事故をめぐる問題に関して、NHK、KBCなどのメデイアへの取材実績があ
り、弁護士向けのセミナー講師としても活動。
