解決事例

弁護士による示談交渉で慰謝料が増額した事例

執筆者
弁護士 西村裕一

弁護士法人デイライト法律事務所 北九州オフィス所長、パートナー弁護士

所属 / 福岡県弁護士会  

保有資格 / 弁護士

専門領域 / 個人分野:交通事故 法人分野:企業顧問(労働問題)   


※実際の事例を題材としておりますが、事件の特定ができないようにイニシャル及び内容を編集しております。
なお、あくまで参考例であり、事案によって解決内容は異なります。

ご相談者Fさん
(福岡県古賀市)


受傷部位首(頚椎捻挫)
等級なし
ご依頼後取得した金額
50万円

内訳

損害項目 サポート前の提示額 弁護士によるサポート結果
傷害慰謝料 53万円 73万円 (裁判基準)
過失相殺 15% 15%
結果 35万円 50万円

 

状況

Fさんは、信号機のある交差点を青信号にしたがって直進していました。

そこに反対車線から右折してきた自動車と衝突する形で事故にあいました。

Fさんの車はこの交通事故で50万円弱の修理費がかかりました。

事故当日Fさんは整形外科を受診し、レントゲン検査の結果、骨には異常がなく頚椎捻挫と診断されました。

Fさんはその後、仕事の都合で整形外科での通院が困難なため、整骨院での治療をメインに行っていました。

しかしながら、事故から2か月ほど経過しても首の痛みと手先のシビレが取れないため、整形外科を再度受診し、MRI検査を受け、整形外科への通院も行うようになりました。

ところが、事故から4か月経過した段階でFさんは保険会社から連絡があり、治療費の支払を終了すると告げられ、5か月前の段階で症状がありながらもやむなく治療を終了しました。

その後、しばらくして保険会社から慰謝料の提示がありました。

内容としては、慰謝料が50万円程度で、そこから物損で示談した過失割合15%を引いた35万円を支払うというものでした。

Fさん自身は弁護士特約に加入しておらず、事故にあった自動車の保険にも弁護士特約がついていなかったため、弁護士への相談や依頼を当初ためらっていました。

しかしながら、家族の弁護士特約が使えるということをホームページで知ったFさんは、デイライト法律事務所の弁護士に状況を相談することにしました。

 

弁護士の関わり

弁護士は、Fさんから事故の状況とその後の治療経過についてお話を伺いました。

Fさんとしては、相談に来られた時点でも首の痛みとシビレが続いていたため、できれば後遺障害の認定を受けたいとのことでした。

しかしながら、Fさんがご相談に来られた時点で、すでに打ち切りにあってから1か月以上期間が空いてしまっており、今後通院を再開したとしても因果関係が認められる可能性が低く、後遺障害の認定を受けるのは極めて困難な状況でした。

そこで、Fさんの状況では、提示された金額について示談交渉を行うのがベストであると説明し、Fさんより依頼をしていただきました。

弁護士は依頼を受けたあと、すぐに保険会社に連絡をして、事故状況、診断書、明細書といった資料を取得し、Fさんに補償されるべき慰謝料について検討しました。

その結果、50万円という水準ではけがの通院に対する慰謝料としては、低額すぎると考えられました。

そこで、弁護士は裁判基準を前提に慰謝料を算出しなおし、保険会社と示談交渉を行いました。

当初保険会社は、慰謝料の額について裁判基準の80%程度でと提案をしてきました。

その水準でもFさんが提示されていた金額よりも約5万円ほど上昇していたのですが、弁護士はその提案を断り、裁判基準の水準である73万円を提案し、過失相殺後の支払額が50万円となる解決案を提示しました。

保険会社としても、Fさんの事案で長期化することは望んでいませんでしたので、最終的に弁護士の提案した50万円での解決に応じ、示談が成立しました。

Fさんは弁護士に依頼することで15万円の慰謝料の増額ができました。

 

補足

慰謝料について

この事例のように、けがによる慰謝料というのはどのように試算するかによって金額が異なります。

保険会社は、自賠責保険という最低限の基準をベースとして、任意保険会社の基準を設定し、被害者の方に提案をしてきます。

Fさんが提示された慰謝料50万円程度というのが任意保険会社の基準により算出した金額に当たります。

しかしながら、任意保険会社の基準により算出した金額は弁護士が示談交渉において使用する裁判基準よりも多くの場合低額にとどまっています。

この差を埋めるには、①提示された金額が妥当なのかどうかという疑問をもつことと②弁護士に依頼することが必要です。

なぜなら、裁判基準は弁護士が被害者の代理人として入らなければ、保険会社がそれをベースに示談交渉に応じることが少ないためです。

したがって、被害者の方が適切な補償を受けるためには、弁護士のサポートを受ける必要性が高いといえます。

治療の打ち切りについて

Fさんは、事故から半年にならないところで、痛みやシビレの症状があるにもかかわらず、保険会社より治療の終了を打診され、結果としてそれに応じる形になってしまいました。

しかしながら、治療の打ち切りの問題で前提となる症状固定(これ以上治療を継続しても改善が見込めない状態)にあるかどうかというのは、実際に被害者の方を診察している医師の判断が尊重される問題です。

したがって、保険会社の提案をそのまま受け入れる必要はありません。

保険会社から治療の終了を打診された場合には、焦らずにまずは医師の問診を受け、保険会社と治療期間についてのやり取り、交渉を弁護士に相談して進めていくことが大切です。

 

 

執筆者
弁護士 西村裕一

弁護士法人デイライト法律事務所 北九州オフィス所長、パートナー弁護士

所属 / 福岡県弁護士会  

保有資格 / 弁護士

専門領域 / 個人分野:交通事故 法人分野:企業顧問(労働問題)   

実績紹介 / 交通事故の相談件数年間300件超え(2019年実績)を誇るデイライ

ト法律事務所のパートナー弁護士であり、北九州オフィスの所長を務める。

交通事故をめぐる問題に関して、NHK、KBCなどのメデイアへの取材実績があ

り、弁護士向けのセミナー講師としても活動。


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